ダニエル電池で発電しよう

単元

化学変化と電池

目標

電解質水溶液と2種類の金属を用いた実験を行い,電池の基本的な仕組みや電池は化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解する

準備:

材料名補足数量
■ ダニエル電池作製
銅箔テープ 10 x 60 mm 1本
亜鉛箔テープ 10 x 100 mm 1本
硫酸銅水溶液 1 mol/L、マイクロチューブ入り 1 mL
硫酸亜鉛水溶液 0.5 mol/L、マイクロチューブ入り 1 mL
ろ紙 8 x 30 mm 2 枚
セロハン 20 x 33 mm 1 枚
プラシャーレ 直径35 mm 1 枚
磁石シート 15 x 47 mm 1 枚
ピンセット、両面テープ、ラップフィルム、はさみ
安全メガネ
■ 発電実験
回路カード
導体部品
低電圧LED
電子メロディ
モーター 太陽電池用
電圧計
電流計

観察・実験:

題目内容画像所要時間
1.【導入】金属によってイオンへのなりやすさが違うことを利用してできるもの 【学習課題の確認】ダニエル電池を作って、発電の確認をして、電池の中で起こる変化について考えよう
2.【準備】実験キットの配布・確認
3.【実験1-1】ダニエル電池作製 マイクロチューブに入った硫酸銅水溶液、硫酸亜鉛水溶液にろ紙を浸しておく。
4.【実験1-2】ダニエル電池作製 両面テープで磁石シートにプラシャーレを貼る。
5.【実験1-3】ダニエル電池作製 銅箔テープを、磁石の裏に5-8 mm程度貼って折り返し、磁石とシャーレに沿って貼る
6.【実験1-4】ダニエル電池作製 亜鉛箔テープを磁石の裏に5-8 mm程度貼って折り返す。端から30-35 mmで折り、テープ同士を貼りつける。テープは立てたままにしておく。
7.【実験1-5】ダニエル電池作製 ピンセットで硫酸銅水溶液をしみこませたろ紙を取り出し、銅箔テープの上に重ねる。
8.【実験1-6】ダニエル電池作製 ピンセットでろ紙の上にセロハンを重ねる。
※ 丸まったり、しわが寄ったりしないように注意する。
9.【実験1-7】ダニエル電池作製 ピンセットで硫酸亜鉛水溶液をしみこませたろ紙を取り出し、セロハンの上に重ねる。
10.【実験1-8】ダニエル電池作製 液を触らないように、ラップフィルムの上から、亜鉛箔がろ紙に密着するように押さえつける。
11.【実験1-9】ダニエル電池作製 完成
12.【実験2-1】発電 回路カードで回路を作って、発電しているか、低電圧LED、電子メロディ、モーター(太陽電池用)で確認する。
どのくらい発電しているか、電圧、電流を測ってみよう。
※ 電圧計、電流計はネオジム磁石でとめている。手で押さえても、回路カードをはさんでもよい。
13.【実験2-2】発電が確認できないときは図のリストをチェックしよう
14.【考察とまとめ】電池の中でどのような変化が起こっているのだろうか

豆知識:

  • 化学変化を利用して、物質が持っている化学エネルギーを電気エネルギーにして取り出す装置を化学電池という。
  • ボルタ電池は希硫酸にマイナス側が亜鉛極板、プラス側が銅極板という組合わせで、プラス側で水素が発生して分極をおこし、すぐに起電力がなくなる欠点があった。
  • ダニエル電池:J.F.ダニエルが1836年に発明した化学一次電池。素焼きの容器や半透膜で電解液を分離し、プラス側に硫酸銅水溶液、マイナス側に硫酸亜鉛水溶液を用いることによって起電力の変化が少なく、気体も発生しない実用性が向上した電池となった。放電を持続させるためには、硫酸亜鉛水溶液の濃度を薄く、硫酸銅水溶液の濃度を濃くすると良い。電解質濃淡電池の原理も利用できる。

注意事項:

 【ダニエル電池実験の注意点】
硫酸銅・硫酸亜鉛は劇物なので、直接触らない(ついたらすぐ洗う・終了後は必ず手を洗う)、安全メガネを着用する、廃液を流さず適切に処理をする。
※ もし直接触れてしまった場合、硫酸亜鉛は多量の水で、硫酸銅は多量の水と石鹸で洗う。目に入った場合は水で数分間注意深く洗う。コンタクトレンズは、外して目の洗浄を続ける。
 
 

ダニエル電池:発電

資料:

実験レポ

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教科書の実験と比べてよかったところは ①廃液がとても少ないこと ②コンパクトにつくることができ、普段使用している「電池」に近く、イメ...もっと見る

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溶液をこぼす生徒は必ず出そうだなと感じたので台などが必要かなと思いました。あとの操作は簡単にできるのでいいなと思いましたが、電池のビーカーの...もっと見る

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