ニワトリDNA抽出

単元

生命の連続性

目標

遺伝の規則性と遺伝子に関して、その本体がDNAという物質であることを実験を通じて理解することができる。

準備:

材料名補足数量
チューブ立て 1個
フローター 1個
チューブ 3本
つまようじ 2本
シリンジ 1個
綿球 2個
スポイト 1本
ラップ
エタノール
細胞溶解液 13%食塩、0.1%界面活性剤(洗剤数滴)
ニワトリレバー
湯煎用の容器 発泡スチロールなど保温性のあるものがよい

観察・実験:

題目内容画像所要時間
1.【準備】 ①チューブ3本の内2本に細胞溶解液、エタノールを約1mLずつ分注する。
②熱湯(80℃以上)を準備しておく。
③ニワトリのレバーをラップに1cmサイズに切り分ける(脂肪をさけ、赤い部分を使用すること)。
2.【実験】 ①レバーをラップの上から空いたチューブの裏など※でよくつぶす。(※手などの熱が加わらないよう注意)
3. ②つぶしたレバーをつまようじでスイカの種くらいの大きさで取り、細胞溶解液入りのチューブに入れる。
4. ③細胞溶解液に色がつくまで、つまようじでよく混ぜる。
5. ④チューブのふたをしめ、フローターに差し込み、80℃のお湯で10分間加熱する。
6. ⑤綿球2個を注射器に入れ、ピストンを押し込む。
7. ⑥注射器にチューブの中身を入れる。
8. ⑦空いたチューブをチューブ立に入れ、その上でピストンを押してろ過する。泡が出てきたらやめる。
9. ⑧透明のろ液をスポイトでとり、1,2滴をエタノール入りのチューブに加える。
10. ⑨エタノール入りのチューブのふたをしめ、ゆっくり上下をひっくり返して混ぜる。

豆知識:

  • ヒトは約37兆個の細胞からできている※ ※従来は60兆個とされていたが、近年ではEvaBianoniらの研究による数が採用されることが多い。 E. Bianoni et al, An estimation of the number of cells in the human body. Ann. Hum. Biol. 40, 463–471 (2013).
  • 細胞の直径は平均20㎛
  • たった1個の細胞(受精卵)が分裂してできている
  • 細胞の中にある核にDNAは存在する
  • DNAは2重らせん構造をとる
  • ヒトのDNAは約30億塩基対からなる長い分子で、1つの細胞のDNAを引き伸ばすと約2mになる
  • 塩水と洗剤は細胞をばらばらにしたり壊したりする。DNAは水に溶けるがエタノールには溶けないので、エタノールを混ぜると析出して観察できる
  • DNAの2重らせん構造の直径は2nm程度なので、光学顕微鏡や一般的な電子顕微鏡では観察が難しい。

注意事項:

熱湯や実験器具の取り扱いに注意する。

資料:

実験レポ

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