イオン化傾向と金属樹

単元

金属イオン

目標

金属の種類によってイオンのなりやすさが異なることをイオンのモデルと関連付けて理解できる。

準備:

材料名補足数量
塩化銅水溶液 1mol/L、点眼ビンに入れると使いやすい
金属片(アルミニウム) アルミ箔を使い場合、表面の酸化膜を紙やすりで軽く削り落とす
金属片(亜鉛) 亜鉛箔テープを小さく折りたたんだものなど
金属片(鉄) スチールウールなど、固め過ぎない
シャーレ
ろ紙 シャーレに合うサイズにカットする
iPad・タブレットPC
マクロレンズ
プチメーター(電圧計)

観察・実験:

題目内容画像所要時間
1.【導入】金属によってイオンへのなりやすさが異なることを利用してできるもの 【学習課題の確認】金属のイオンへのなりやすさの違いを使った実験を行い、どんな変化が起きているのか、原子、イオン、電子のモデルで表現しよう 【準備】実験キットの配布・確認
2.【実験1】シャーレに合わせた大きさのろ紙を敷き、目薬瓶に入れた塩化銅水溶液をろ紙がひたひたになるまで加える
3.【実験2】ろ紙とシャーレの間に空気が入っていたら抜いて、密着させる
4.【実験3】金属片 (アルミニウム、亜鉛、鉄など)をろ紙の上になるべく密着するように置き、観察開始
5.【実験4】iPadもしくはタブレットPCにマクロレンズをつけて、色や形を観察する
6.【実験5】金属とろ紙の間の電圧を測定し、電子の動きを考える
7.【考察とまとめ】どんな変化が起きているのか、原子、イオン、電子のモデルで表現する

豆知識:

  • 金属樹:水溶液に溶解している金属イオン(銅イオン)よりもイオン化傾向が大きい金属(アルミニウム・亜鉛・鉄)を使うと、イオン化傾向が大きい金属が金属イオンになり、小さい金属イオンの単体が樹枝状の結晶になって析出する(銅樹)。 化学と教育 Vol.62,No.10,pp.496-497,2014
  • 樹枝状結晶 (Dendrite):種結晶の周りに過冷却または過飽和の液体がある場合、結晶表面への原子の吸着が急激に進む。液中の原子は早く固体になりたいので、種結晶の欠陥部分を埋めるだけでなく、多少居心地が悪くても結晶表面のどこにでも付く。確率的に表面の凸部分に付きやすくなり、凸部分がどんどん成長して真っ直ぐ伸び、先端はちょっとしたきっかけで枝分かれしていくので、結果として一定の規則性を持った構造になる。原子は結晶面の欠陥部分に優先して取り込まれやすく、ゆっくりと成長した場合は、結晶面に凹凸が無い単純な構造となる。 表面科学Vol.17,No.4,pp.224-229,1996
  • 参考動画 イオン化傾向と金属樹 色々な金属で観察しよう

注意事項:

塩化銅(II)は劇物なので、直接触らない(ついたらすぐ洗う・終了後は必ず手を洗う)、安全メガネを着用する、廃液を流さず適切に処理をする。直接触れてしまった場合、多量の水と石鹸で洗う。目に入った場合は水で数分間注意深く洗い、コンタクトレンズは外して目の洗浄を行う。

資料:

実験レポ

教科書では銀樹から始まり、イオン化傾向の内容につながっているため、このような教材は+αで考えさせられるので大変ためになりました。 

匿名さん 東京都 教職員

ろ紙ではなく、プチ袋(チャックできる)に少量のCuCl2水溶液を入れて行っていました。紹介してくれた材料ではろ紙で簡単にできることと鉄をスチ...もっと見る

匿名さん 東京都 教職員
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